
はじめに:
多くの人が ChatGPT や Gemini を使っていますが、
GPTs(カスタムGPT) や GEMs(Gemini Extensions Model) の存在をまだ知りません。
しかし、AI を本当に“仕事の相棒”にするためには、
この GPTs と GEMs を使って「自分専用の AI」まで作ることが絶対に必要 です。
なぜなら…
🚀 GPTs/GEMs は「普通のChatGPT/Gemini」の 10倍便利
ChatGPT や Gemini 単体は「汎用AI」。
でも GPTs / GEMs は、あなたの業務に特化させた“専門家AI” を作れる仕組みです。
- 営業のための専門AI
- 契約レビュー専用AI
- 請求書チェック専用AI
- 翻訳品質を統一するAI
- チーム知識を集約したFAQ AI
など、あなたの会社の業務にフィットしたAIが数分で作れる 時代になりました。
そもそも GPTs / GEMs とは?
■ GPTs(OpenAIのカスタムGPT)
✔ できること
- 自分専用の ChatGPT を作れる
- 行動ルールを設定(「ですます調で」「初学者に優しく説明」など)
- ファイルを“知識”として持たせる
- Webブラウザ・コード実行・外部アプリ連携も可能(Team/Enterprise)
✔ 特徴
- 会話ベースで作成できる(誰でも作れる)
- 公開・非公開を選択可能
- チーム全員で使えるカスタムAIを作成できる
■ GEMs(Google の Gemini Extensions Model)
✔ できること
Google Workspace と深く連携しているのが最大の特徴です。
- Gmail のメール内容を読み取り、返信文を自動生成
- Google Drive のファイル(PDF / Docs / Sheets)を直接分析
- スプレッドシート操作(分析・表作成・関数生成など)
- カレンダー / Meet との連携
✔ 特徴
- Google 仕事ユーザーにとって最強のAI
- “ファイルを開かなくても分析できる” のが圧倒的に便利です。
GPTs と GEMs の違い(読者が一番知りたい部分)
🟢 GPTs が向いている人
- ChatGPT をよく使う
- 業務ルールや独自資料をAIに覚えさせたい
- 自分/部署専用のAIを作りたい
- 外部ツール連携(API)が必要
🔵 GEMs が向いている人
- Google Workspace(Gmail/Drive/Docs/Sheets)を毎日使う
- メール・ドキュメント作成の時間をゼロに近づけたい
- 画像・表・文章を一瞬で読み取って整理させたい
- 社内ファイルを使って AI に分析させたい

【実例1】AI がメール業務を自動化(GEMs)
Before:
- 毎日メール返信に時間が取られる
- 英文メールを書くのが苦手
- 長いメールを読むのが大変
After:
Gemini(GEM)を Gmail の右側から呼び出すだけで、
AI が 読み取り → 要約 → 返信ドラフト作成 を一気通貫でやってくれます。

AI がやってくれること
✔ メール内容を自動読込み
✔ 要点のまとめ
✔ 返信文(日本語または英語)を自動生成
✔ 書きぶり(丁寧 / フレンドリー / 短く / 詳しく)も調整可能
▶ 例:
客先から来たメール:
来週の打ち合わせ議題を教えて欲しい。
ついでに見積もり案もあれば共有して欲しい。
あなたがすることはただ一つ。
👉 右側の Gemini パネルに
「丁寧なビジネスメールとして返信案を作って」と入力するだけ。
AI が自動生成したドラフト:
いつもお世話になっております。
来週の打ち合わせにつきましては、以下の議題を想定しております。
・●●の現状共有
・お見積り案のご説明
・質疑応答
また、簡易的なお見積り案も作成いたしましたので、添付にてお送りいたします。ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
ほぼそのまま送れるレベルの文章 が数秒で生成されます。
【実例2】AI が契約書のリスクを自動チェック(GPTs)
Before
- 契約書のレビューに 1〜2時間
- 法律知識がないと不安
- 契約ごとに確認観点がバラバラ
After(GPTs)
- 契約書PDFをそのままGPTにアップロード
- 事前に作成した「契約リスクチェックGPT」に、
「この契約のリスクと、修正案を教えて」と指示します。
✔ GPTが返してくれる内容
- リスクのある条項一覧
- 「損害賠償の上限が設定されていない」
- 「解約の条件が一方的である」
- 「秘密保持の範囲が広すぎる」
- 推奨修正案
- 「損害賠償の上限を●●万円に設定する」
- 「解約時の通知期間を30日に統一する」
- 全体の要約(1〜2分で読める長さ)
これにより、法務担当者がいないチームでも
“どこが危ないか” を素早く把握した上で専門家に相談できる ようになります。
【実例3】営業資料をまるごとAIが作成(GPTs / GEMs)
今まで:
- プロポーザル作成に半日以上かかる
- パワポの構成を考えるのが苦手
- 顧客ごとに少しずつ内容を変えるのが面倒
GPTs/GEMs を使うと:
✔ 顧客情報を入力するだけで提案資料の構成を生成
✔ 過去の営業資料を学習させてブランドトーンを統一
✔ 「A社向け」「新規提案」「3ページで」など会話で指示できる
✔ 競合比較・FAQ まで自動生成
たとえば、
「製造業向けの在庫管理SaaSを提案する3ページのスライド案を作って」
と依頼すると、
- 1ページ目:課題整理
- 2ページ目:ソリューション概要
- 3ページ目:料金プラン&導入ステップ
という形で、見出し+箇条書き+話すポイント まで AI が出してくれます。
【実例4】社内FAQボット(GPTs)
ChatGPT に自社のマニュアルをアップロードするだけで、
「なんでも聞ける社内FAQボット」 が作れます。
- 勤怠ルール(遅刻・早退・有給)
- 経費精算のルール
- セキュリティポリシー
- 社内ツールの使い方
新入社員や中途入社のメンバーが、
「●●の申請方法を教えて」「在宅勤務は何日前までに申請が必要?」
と聞くと、AI が即答してくれます。
人事・総務への問い合わせが大幅に減り、
“人がやるべき仕事”に集中できるようになります。
GPTs/GEMs を作る手順(誰でもできる)
① ゴールを決める
まず、「何を自動化したいか?」を一つに絞ります。
- メール返信
- 契約書チェック
- 営業資料の草案
- 社内FAQ
- 翻訳・ローカライズ
② 必要な情報を集める
AIに覚えてほしい資料を集約します。
- 業務フロー・チェックリスト
- 過去の良い例(メール・資料・契約書など)
- 禁止事項(やってはいけない対応)
- 業界特有の用語・略語
ポイント:
完璧に整理されていなくてもOK。
まずは「AIに投げられる状態」にしてしまうのがコツです。
③ 実際に GPTs/GEMs を作る
GPTs の場合
- ChatGPT 画面で「Explore GPTs」→「Create」をクリック
- 「どんな役割のAIか」を自然文で説明
- 行動ルール(出力形式、口調、前提条件など)を書き込む
- 必要なファイル(PDF, Word, Excel など)をアップロード
- いくつかテストして、回答がズレる場合はプロンプトを微調整
- 社内用リンクとして共有(または GPT Store で一般公開)
GEMs の場合
- Gemini.app で Extension/GEM 作成画面を開く
- 連携するアプリ(Gmail / Drive / Sheets など)を選択
- 「どのメール/どのフォルダを対象にするか」を指定
- 動作ルール(例:メール返信のトーン、出力形式)を書く
- テスト → 修正を繰り返し、チームと共有
④ 運用しながら改善する
AIは作って終わりではなく、「使いながら育てる」ものです。
- 想定外の質問に弱い → プロンプトに例を追加
- 出力フォーマットがブレる → テンプレートを明示する
- 禁止したい表現が出る → NGワードリストを追加する
この “小さな改善” を繰り返すことで、
数週間後には「手放せない社内ツール」になります。
セキュリティは大丈夫?
結論:
ChatGPT Enterprise / Team や Gemini Business / Enterprise を使えば、
業務データがモデルの学習に使われることはありません。
- 入力データは社外に共有されない
- アカウントごと・組織ごとのアクセス権管理が可能
- ログも監査できる
もちろん、機密情報はアクセス権のあるユーザーだけが見られるよう、
既存の Google Workspace / IdP 設定と組み合わせることが前提です。
まとめ:
2025年のAI活用の鍵は 「汎用AI」から「専用AI」へ
- GPTs/GEMs を使うと、業務に特化した “専門AI” を作れる
- メール、契約、資料、翻訳、FAQ…仕事の大半が自動化される
- ノーコードで、現場担当者自身がツールを作れる
- チームの生産性は 2〜5 倍に跳ね上がる可能性がある
ChatGPT/Gemini が「電卓」だとしたら、
GPTs/GEMs は「あなた専属の部下・秘書・専門家」です。
このブログをきっかけに、
あなたのチームにも “自分たち専用のAI” を一つ、
まずは試しに作ってみてください。